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TOP > 2018年度のコラム・こんにゃく問答

VOL 46 こんにゃく用語あれこれ

こんにゃくと世界

「こんにゃく」は、見た目の性質から“例え言葉”が多く、少々無念なところもあります。

「こんにゃくの裏表」よくわからないことの意でしょうか、「こんにゃくの化者・幽霊」は、ぷらぷら、ぐにゃぐにゃしてるからとか。
「こんにゃくの木登り」は“ふるえ上がる”、「こんにゃく閻魔」は“内弁慶”のこと。「封筒にこんにゃく」は政界用語で板こんにゃくを一枚封筒に入れるとその厚さが現金100万円程で裏金の隠語とか。ちょっと無念ですね。野球用語では「こんにゃく投法、こんにゃく打法」があり、漫画「あしたのジョー」では「こんにゃく戦法」が登場します。

さて「こんにゃく文」というのをご存知ですか。「こんにゃくは太らない」この文章をそのまま読み取ると“こんにゃく自体は太らない”となるのですが、日本人は誰もが“こんにゃくはいくら食べても太らない”と思うのではないでしょうか。主語+補助語なしの基本文を「こんにゃく文」というそうですから「ダイエット文」ですね。

VOL 45 農業従事者の高齢化とこんにゃく

こんにゃくと世界

少子高齢化と言われて久しい昨今、その波は農業にも及んで来ています。今問題になっているのが農業従事者の高齢化と人手不足です。農林水産省の2015年の調べによりますと、基幹的農業従事者の平均年齢は67歳で、10年前より7.2歳も上昇しています。農家の実に80%が60歳以上ということになります。この調査は5年毎に行われていますから、次の調査の行われる2020年にはもっと平均年齢が上昇しているかも知れません。
政府は外国人労働者を受け入れるなどして、人手不足を解消しようとしています。

今は鍋の季節、売り場に行くと、いつもよりさらにたくさんの種類のこんにゃくや、しらたきが並んでいるのが見られます。私たちが美味しいこんにゃくを食べられるのも農家の方のおかげです。農業に関心をもち、積極的に応援していきたいものです。

VOL 44 「こんにゃく」ミニ記録史

こんにゃくと世界

「こんにゃく」芋は見た目ではそのまま食べられそうですが、猪も食べない程の厄介な食材で“煮ても焼いても食べられない”と業を煮やした先人が焚火の中に投げ入れたところ灰と化合して偶然「こんにゃく」が食べられるようになったと推測されています。中国では、こんにゃくは「魔芋」と書かれていますのでわかる気がします。

そんな「こんにゃく」も中国最古の記録は3世紀と古く「蜀都賦」に“灰汁で煮ると凝固する”と書かれています。
日本では、1800年ほど前の「本草和名」に「蒟蒻」の名前で記録があり、922~931頃に書かれた「和名抄」、986年の「医心方」などにも「蒟蒻」が記録されています。

江戸時代に入り「本朝食鑑」や「大和本草」(1709年刊)などにも「蒟蒻」は記録されており、江戸の料理本には「蒟蒻百珍」が登場する程ですから、すっかり庶民の料理として愛され、なくてはならない食材でした。

VOL 43 今宵は「こんにゃく」の和もので

こんにゃくと世界

和食は四季の変化によって変わる楽しみがありますが、秋風とともに“和え物”が恋しくなりますが、江戸のレシピ本「蒟蒻百珍」にも「調和(あへもの)」に「こんにゃくを小角(かく)または平作り・細長等きりかた、このみにまかす。」とあり、葱和、海苔和(あさくさ青のり)、柚味噌和、白和、胡葱(あさつき)とうがらし切込(俗に鉄砲和)、鮑腸(あわびのわた)和と書かれています。その他に、梅肉和や胡桃味噌和とすぐにでもいただきたい一品が続きますが、現代の食卓にはどうでしょうか。
「葱(くさ)和」は、切りかた心まかせ、ねぎ・白ごま・みそ、よくよくすり合わせ、古酒にてゆるめ、ねぎ三分・みそ七分あえる。とうがらし9粉 ―とあり、酒の肴にもなりそうです。
「鮑腸和」(あわびのわたあえ)はどうでしょう。

日常の食卓で鮑を食べる機会もなく、ましてや新鮮な“わた(きも)”では無理ですが江戸の庶民でも食べていたと思うとなかなかグルメでこんにゃく料理も贅沢ですね。

VOL 42 眼病を治す「こんにゃく閻魔」

こんにゃくと世界

東京、文京区小石川に380年余り前に建てられた源覚寺に「こんにゃく閻魔」と呼ばれる閻魔大王があります。時代小説や落語の噺や、樋口一葉の「にごりえ」、夏目漱石の「こころ」にも登場する「こんにゃく閻魔」です。この閻魔さんが「こんにゃく閻魔」と呼ばれるのは、昔、眼病を患った老婆が閻魔大王に21日間の祈願をしたところ夢の中に大王が現れ「願掛けの満願成就の暁には、私の両目のひとつを差し上げよう」と言われ、満願の日に老婆の目は治り、以来、大王の右目は盲目となり、右目部分は割れて黄色く濁ったのだそうです。

老婆は感謝のしるしとして大好物の「こんにゃく」を断ち、閻魔さんに「こんにゃく」を供えつづけたということで、源覚寺の閻魔大王は「こんにゃく閻魔」と呼ばれるようになり、眼病治療の閻魔として信仰され、江戸時代から“こんにゃくえんま門前”として、にぎわいが続いているのです。

VOL 41 世界の「こんにゃく」の名前

こんにゃくと世界

こんにゃくの名前は16世紀末の中国の「本草綱目」にも“蒟蒻”として記載され、918年頃の日本の「本草和名」にも“蒟蒻の別名、蒻頭”と書かれ、和名“コニャク”の記載があります。

日本語の“こんにゃく”の語源は中国語ですが、英語の語源は日本語の“こんにゃく”です。日本の健康食品として世界に広がり、和英辞典ではこんにゃくは、devil’s tongue「悪魔の舌」やElephant Foot「象の足」と表現され、どうやらこんにゃくの花びらから巨大な舌が出ているように見えることから付いた名前のようです。アメリカでは、こんにゃくパスタは“ミラクルヌードル“と可愛らしく、欧州でもスーパーの健康食品コーナーではZero NoodlesやSlendier Slim PASTAと呼ばれ、原材料欄の表示はKonjac Flour(こんにゃく粉)です。

優秀な低カロリーの健康食品として世界が認めるKonnyakuですが、コニャクやコニャコーと発音され、日本を代表する世界の健康食品としてまだまだ広がりをみせています。

VOL 40 微妙な「寒天」と「トコロテン」の関係

寒天とトコロテン

こんにゃくもトコロテンも今や人気の健康食品ですが、「寒天」と「トコロテン」は同じ海藻が食材で、肥満症や糖尿病などいろいろな生活習慣病の予防に役立ちコレステロールの低下作用、便通改善の効果もあり“メタボ改善”の救世主となっています。

俳人一茶は「軒下の拵(こしら)え滝やところてん」と詠み、この頃は寒天とトコロテンは同じものとみなされていたようです。
同じ海藻が原料でも寒天とトコロテンは品質や特性が微妙に違うそうで、どうやら“鶏が先か、卵が先か”のような、ちょっと戸惑う関係です。「寒天」は、今から368年程前に京都伏見の美濃屋太郎左衛門が商品化し、参勤交代途上の九州島津候が美濃屋に泊まった際「トコロテン料理」も一品として膳に供されたとの記録があるそうです。コラムニスト野瀬泰申は「食の方言地図」の書で“トコロ天といえば、酢醤油に青海苔、からしをちょびっとつけツルツルといただく”と表現しています。
夏の風物詩ですね。

VOL 39 こんにゃく空を飛ぶ!

六次産業とこんにゃく

少年の頃、グライダーを夢中で作った記憶がありますが、こんにゃくが空を飛んでいた記録が残っています。

一つは、前にも取り上げた風船爆弾の風船の生地に、こんにゃく糊を使った話です。
もう一つは、大正12年(1923)発行の「下仁田式蒟蒻栽培講義」に、こんにゃく工業用途事例を列挙したなかに「飛行機羽根防水薬」と書かれているそうです。
飛行機がまだ金属製でなかった昭和初期には、軍用機も含めて羽布(はふ)張りで、羽布には亜麻の布が用いられ防水と強度を高めるために、こんにゃく糊が使われていたようです。
今では飛行機も金属から炭素繊維や新素材が多く使われ、いよいよ自動車が空を飛ぶ時代が近づいていますから、隔世の感がします。

飛行機の主翼が、こんにゃく糊引きした翼布素地で飛んでいたと思うと、ちょっとロマンを感じます。

VOL 38 こんにゃくの未来

六次産業とこんにゃく

日本のこんにゃくいも生産量は昭和42,3年をピークにその後減少し50%を割り、近年は輸入分を加えても減っているのだそうです。

食品としてのこんにゃくは、おでんやすき焼き、田楽、おせち料理には欠かせませんが、確かに減っている分野かもしれません。
でも、どうでしょう。
ダイエットブームでのこんにゃくの需要やこんにゃくゼリー、こんにゃくそばなどと新しい広がりを見せています。
世界では、こんにゃくパスタも人気でパリジャンには、もてもてのようです。
一方では食品ではなく、化粧品やこんにゃくシルク、医科学分野などでの新素材としての活用が期待されています。現在の企業の業際分類が難しくなってきたように、こんにゃく産業がいつまでも食品業と分類されるだけでなく、新しい六次産業としての広がりを見せる時代かもしれません。
明るいこんにゃくの未来ですね。

VOL 37 人気の美容こんにゃく

こんにゃく成分のマンナンセラミドが美容分野の純和風化粧品して話題です。こんにゃく芋を主原料とした植物由来成分100%の洗顔石鹸では、こんにゃくの愛らしさで“ぷにぷにむにむに、プニュプニュ、ぷるぷる”とオノマトペ全開で、みずみずしく、美しく、肌にハリと透明感、ふわとろ泡体験のこんにゃく石鹸といわれ人気です。

こんにゃくのマンナンが肌に存在する皮脂にくっつき汚れを除去し、毛穴を引きしめてくれる効果があり、保湿力の高いセラミドが乾燥から肌を守り、潤いのある肌をつくるとしてその天然の修復力と保湿力に美容界で注目されています。

固体と液体の中間のような感触は、これまでの洗顔石鹸にない独特のプルプル感と洗い上がりと香りが最高と“モテキ”です。かつては、こんにゃくのブルブル震わせる姿に“蒟蒻の幽霊”といわれ散々でしたが、今では美容界の貴重な資源です。

VOL 36 こんにゃくで高機能シルクをつくる!

世界で活躍する科学者をめざす高校生が研究成果を競う「第15回高校生科学技術チャレンジ」の受賞発表のなかに、群馬県の樹徳高校の3人の2年生の研究が「こんにゃくシルク こんにゃく飛粉配合人工飼料による高機能のシルクの創出」で、テレビ朝日特別奨励賞を受賞しました。

こんにゃく芋生産日本一の群馬県ならではの研究ですが、カイコの人工飼料(くわの葉)に染料を添加し染色に依らず簡易的に色付きの生糸を安価につくれるメリットもあります。

こんにゃく飛粉を添加した人工飼料による生糸は、飼料の価格を約1%削減できるだけでなく、光沢があり、しなやかで光による劣化に強く簡易的に生糸を染色でき、様々な機能性シルクを創出できる可能性が示唆されています。

世界文化遺産の富岡製糸場と群馬県の特産品、こんにゃくを結びつけた発明は、地域の大きな財産であり感動の研究成果ですね。

わくわくする夢に挑戦する若者に拍手です。

VOL 35 春のきざしの“こんにゃく料理”

「春告草」、はるつげぐさと呼ばれる梅は万葉集に、119首の歌が詠まれているそうです。
春は花頼りとともにやってきますが、江戸の料理本「蒟蒻百珍」にも花の名を付けた、こんにゃく料理があります。

「紅梅」という名の料理は、こんにゃくを薄平に切りますが切り方は好みにまかせ、うめ酢につけて色をつけ、いろいろの素材と組み合わせて使うと、そっけない。

同じ発想では「梅肉和」(にくあえ)が“こんにゃくをまる揚げにして、切り方は好み次第で芋かけなどと一緒に梅肉和えにする”とありますから、今でも使える一品です。

「花の下(もと)」は、こんにゃくを糸作りにして薄く味を付け、丼鉢へ沢山入れ、上より“花がつお”をかけていただく、とシンプルな一品です。

「花槽(はながた)」は“さくらや梅などの押し金型に入れて切り出し、使い方はいか程にとあるべし”と、工夫次第とあります。花見弁当に使ったのでしょうか。

VOL 34 江戸の冬のこんにゃく料理

冬は“おでん”から始まり、正月の“おせち”料理と “こんにゃく”の出番です。江戸のレシピ本「蒟蒻百珍」でも、冬を思わせるこんにゃく料理が紹介されています。

「氷柱(つらら」」―こんにゃくを細長く切って、葛粉にまぶし熱湯に通しこんにゃくについた葛粉が透明な“つらら”に見立てたなかなか粋な一品です。

「昆布巻」は、名前の通りでこんにゃくを芯にして昆布に巻いて煮付けた料理で、ヘルシーな正月料理に見えます。

「あられ」はどうでしょうか。こんにゃくを小角に切り、網ざるに入れて振って角を丸くし、さっと揚げ、しょうが絞り汁、薄く葛、わさびや大根おろしでいただく、とありますから、これまた粋な料理です。

「氷室」は、室の中で貯蔵した氷の塊ですから、こんにゃくを氷に見立て、白砂糖をかけて食べたようですから、お菓子なのでしょうか。

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